生徒募集を安定化させる行動計画とは

生徒募集を安定化させる行動計画とは

今日は久しぶりに教室集客のお話です。

もうすぐ夏休みです。
春季に続く募集ピークである秋季に向け、集客の計画はしっかりと立てられていますでしょうか?

小規模なお教室の場合、日頃の業務に追われて、募集計画は「流れに任せて」「何となく」になってしまいがちですよね。

・今月は○名入学があった\(^o^)/
・今月は入学がなかった( ;∀;)

結果にとらわれがちで、計画をしっかりと立てていないオーナー様も多く見受けられるというのが現実です。
今日は、そこを少し改善してみる、そんなご提案ができればと思います。

生徒募集の過程を分解する

生徒募集の過程を分解して考察してみます。

・認知(教室を知ってもらう)
  ↓
・連絡(資料請求などや電話質問など、教室にコンタクトしてもらう)
  ↓
・接触(体験会や個別相談など、教室に来訪してもらう)
  ↓
・契約(ご入会)

お客さまにより順番が抜けたり前後したりもありますが、この流れがご入会までの一般的なステップです。

このステップの最終段階、すなわち契約数ばかりに注目をしているオーナー様が多いように感じています。

しかし募集を計画的に進めるには、そこに至るまでのステップにもしっかりと目を向けていただきたいと思います。
それぞれのステップでの目標値をしっかりと設定し、計測していくことが大事になります。

目標値を設定してみる

目標値は、ステップを遡り、分解して考えると非常にわかりやすくなります。

① 契約←接触 の目標値

スタッフ様の営業力に左右されますが、低い方で50% ⇔ 高い方で80%が、現実的な成約率だと思います。
教室平均で、70%程度を目標値に設定しておくのが無理がないと思います。

② 接触←連絡 の目標値

50%程度を目標値に設定しておくのが理想だと思います。

③ 連絡←認知 の目標値

この目標値設定は、インターネットが普及した今は、とても難しくなっています。

リスティング広告を出稿して教室の認知向上を目指す場合なら、
広告表示数に対するクリック率15% → クリック流入に対するコンバージョン率(次のステップに移行してくれる率)が10% なら優秀です。

またポスティングやダイレクトメールなど、教室側からのいきなりのアプローチを伴う広報施策の場合には、1%に到達をすると万々歳です。

行動計画を立案してみる

目標値が設定できれば、それらを連続した流れに組み立てて、具体的な行動計画を立ててみましょう。

<来月の集客目標>
今月集客したい生徒が2人。
募集手段はポスティングのみと仮定します。

<目標値の設定>
①70% ②50% ③0.5%(ポスティングと想定)
※当初は仮説でもいいですので、数値をとにかく設定してみてください。

この目標値におけるポスティングの必要数は、以下のような式で計算することができます。
2人 ÷ 0.7 (①) ÷ 0.5 (②) ÷ 0.005 (③) = 1142.9
1143枚のポスティング件数が必要ということになります。

結果だけを漠然と考えるのではなく、その結果を出すためにどのような行動をするのか。
この例のように逆算して、計画を立てていくことが大事になります。

行動計画を検証してみる

では、この計画の通り1143枚のポスティングをすれば、必ず生徒は2名集まると言い切れるのでしょうか?
答えはノーです。そもそも計画そのものが仮説で作られているので思い通りにならないのは当然です。
期待以上に結果が出る場合もあれば、期待を大きく下回る場合もあります。

もし1143枚のポスティングをしてみて目標の2名の生徒の集客ができなかった場合、次は目標値の妥当性について検証する作業が必要になります。

そもそも①②③のそれぞれの予測値が適切だったのか?
予測と比べて実際の数値はどうだったたのか?
そこをきっちりと振り返っておく必要があります。

この例では、 ①について70% という目標を仮に設定してみました。
しかし、もしこのKPI値が50%という結果に終わってしまった場合は、どう検証すればいいのでしょうか。

答えは二択になります。

<努力で解決する>
次月には50%を70%に引き上げられるよう、講座商品やトークスクリプトの見直しを行うことも一案です。

<現実を直視する>
努力で解決できそうにないなと感じた場合、50%が現状の力だということを肯定し、それを次回の計画立案時にそのまま適用します。
仮に①を50%に引き下げ、②③の目標値は変更しない場合、次回のポスティング計画は1600枚(=プラス457枚)に増やす必要があります。

②③についても同じです。計画とのずれが発生した場合には、同様の思考をしてください。
<努力で解決>ができそうなことなのか、取り急ぎは<現実を直視する>という考えが無難なのか。冷静に判断をしてみて下さい。
それこそがまさに「経営判断」と呼ばれるものです。

最後に

講座商品の構成、スタッフ様の営業力、地域での競合状況、これらは教室様ごとに異なります。
各目標値について毎月の分析を行い、修正をきちんと図っていけば、徐々に精度の高い行動計画が立てられるようになります。
目標に対し、どの程度の行動量を確保すれば達成が可能なのか、ある程度予測できるようになってきます。

行動計画の立案についてお迷いの方は、ぜひ私にご相談ください。
一緒に計画を立案させていただくことも可能です。

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進藤 整是

こどもICT教育支援センター 運営会社代表

国内最大級の福祉系資格スクール経営経験20年。講座企画・募集営業・広報・IT化推進・総務などスクール経営の中核業務に精通したスペシャリスト。

プロフィール