講師の指導力を向上するにはどうすればいいでしょうか?

講師の指導力を向上するにはどうすればいいでしょうか?

プログラミングに限らず、人に教える立場になると、指導力が求められます。
説明しないといけない内容は、自分では理解していますが、どのように生徒に説明すればいいか、また自分の説明を本当に生徒が理解できているかどうかがわからず、不安になる方が多いと思います。特に初めて講師になる方にとっては。
しかし、人に教えること自体が難しい技術です。時間をかけての訓練が必要です。だから、これからプログラミング講師になる方は、もし不安であれば繰り返して練習してください。

今回は、私がいままで実践してきた訓練法を紹介します。

まず、指導内容を徹底的に整理しましょう。

これは大前提です。
自分も完全に理解していない内容を人に説明することができません。当たり前のことですが、理解したと思い込んでしまう場合もあります。特に難しいアルゴリズムが登場すると、なんとなくわかったというのではだめです。必ず1つ1つの仕組みを理解してください。
私の場合は、例題のプログラムを読むだけではなく、実際に、紙でプログラムの動きを一つずつ検討します。具体的なデータを入れて、一つずつ変数の中身を手計算します。これによって、ロジックやアルゴリズムの細かい動きが本当に理解できるようになります。
最初は大変ですが、訓練すれば慣れるようになります。仕組みが理解できれば、説明するときの手順も自然に整理されるようになります。重要ポイントもわかるようになります。
講師として、教える内容を準備するときには徹底した勉強が不可欠です。

次に、指導ポイントを書き出しましょう。

初めて教える時には、まず教えないといけないポイントをすべて紙に書き出してください。
この課題の場合、どのような説明が必要か、どのような間違いがよくあるのか、一度書き出せば、自然に重要ポイントを覚えることができます。生徒が間違った場合にも、簡単にその間違いを見つけ出すことが可能になります。
また、授業のとき、万が一重要ポイントを忘れた場合には、私はカンニングもしていました。自分のテーブルに事前にポイントを書いていた紙を置いておき、それを見て、また生徒のところに行き、説明します。何回か説明ができましたら、もう心配することがなくなります。

生徒に合わせて説明の言葉を選びましょう。

説明がうまくできるようになりましたら、次は、よく伝わる説明方法についても工夫しましょう。
さらに、授業で説明するときは生徒の学年に合わせて説明の言葉を選びましょう。
同じロジックについて同じ説明を行っても、小学生、中学生、高校生の理解力が違いますので、反応も全く変わってきます。
また、初心者とすでに1年勉強した生徒では理解力の差も大きいものです。講師は淡々と理屈を説明するのではなく、生徒の反応を見ながら説明の言葉を変えないといけません。
特に小学生の場合、一回だけの説明では不十分なケースも非常に多いものです。講師も焦らずに繰り返し違う言葉を使って説明を試みる必要があります。
私の場合は、小学生には必ず紙に書きながら説明します。紙に説明を残せば、生徒もいつでも確認できますし、あとで講師がもう一度説明するときにもまたその紙を使えます。

例えを出して説明しましょう。

プログラミングの場合、説明しないといけない抽象的な概念やロジックが多くあります。自分の説明を生徒が本当に理解できるか心配にもなります。
私はいつも、逆に自分が生徒なら、今の説明を聞いて理解できるか?ということを考えています。自分の説明が曖昧な場合には、一度紙に書き出します。なぜなら、頭の中だけなら何かいけそうな気がしてしまいますが、いざ説明するときに適切な言葉が見つからず、「う〜」となってしまうことがあるからです。
紙に書いた説明を何度も読んでみます。不十分なところを改善したり、小学生でも理解できるように言葉を入れ替えたり、自分で工夫することが重要です。さらに、なかなか理解できない生徒には、例えを事前に用意してください。生活によくあることやものを使うのが理想です。
例えば、Scratchの「ずっと」という命令を使わないといけない理由を説明するとき、私はいつもコンビニの防犯カメラの例えを出します。強盗事件がいつ起きるかわからないので、防犯カメラは「ずっと」録画を続けています。ゲーム制作の時も同じように、いつボタンが押されるかわからないので、「ずっと」変数の中身を見張る必要があります。
自分の説明をより深く理解してもらうために、どのような例えを使えばいいのかを考えるのも講師の仕事です。

自信を持って説明しましょう。

生徒に教える時には、講師は自信を持って説明してください。そのためには、講師も継続的に勉強しなければなりません。
ある内容に関して初めて説明するときには不安があると思いますが、何回も説明しているうちに徐々に説明の完成度を高めることができます。
教えないといけない知識自体は変化がありませんが、その知識を説明する講師の指導方法は、常に生徒に合わせてアレンジする必要があります。一人ひとりの生徒の個性、学習状況を理解し、その生徒に合う説明を、自信を持って行ってください。

「講師も生徒である」そのことを忘れず学び続けましょう

人への指導は高度な技術です。日々訓練しなければなりません。私達講師も生徒と一緒に成長しましょう。わからないことがあれば、生徒と一緒に調べて、一緒に学びましょう。講師は、講師でありながら、いつになっても生徒でもあることを忘れないでください。
今日も、指導力を高めるために学びましょう。

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中山 涼一

こどもICT教育支援センター センター長

2014年に関西初のこども向けプログラミング教室「未来学校プログラミング教室」を創設。
800名以上の指導実績を誇るプログラミング教育のスペシャリスト。

プロフィール