取ったほうがいい資格って、ありますか?

取ったほうがいい資格って、ありますか?

塾生の親から、資格についての相談を受けることがあります。特に、大学受験や今後の就職を意識している高校生の親からのご相談が多いですね。

IT資格、またはプログラミング資格は本当に必要なのか?必要なら、どんな資格を取ったほうがいいでしょうか?私が対応するときの考え方を紹介します。質問される時の回答の参考になればと思います。

資格を取る価値はありますが

結論からいうと、資格は、必ず必要とは言えませんが、取る価値はあります。

その理由を説明するには、以下の質問をまず考えてみましょう。

1.資格を取る目的は何でしょうか?
2.資格を取るためのコスト(時間・体力など)と価値は何でしょうか?
3.その資格の有利性、つまりどれぐらいの人が持っていますか?
4.自分のやりたいことは何でしょうか?

資格取得の目的

そもそもなぜ資格を取りたいのか?基本的には、以下の3つの理由が考えられます。

・将来の就職のため
・自分の能力を知る、または高めるため
・なんとなく

1つ目の理由は就職です。すごくまっとうな考えですが、中学生や高校生なら、就職を考えている方はまだまだ少ないものです。もし本当に考えているなら、これからやりたい仕事に関する資格を取るべきです。

2つ目の理由は自分の現在の能力を知ることと、自分の能力をさらに高めることです。これは非常に有意義な学びになります。資格を取ること自体を目的にせず、自分の能力を測るもの、自分の能力を拡張するものと見ています。これは生徒にとって最も理想的なスタイルになります。資格の勉強をして、自分の足りないことがわかり、それを次の学びにつなげていくことができます。目標があり、成果もあり、成功体験をどんどん積んで、気づいたら資格も取れています。
ただし、学生の場合、時間の管理が必要です。学校の勉強と両立しながら資格の勉強をしなければなりません。これだけは注意しないといけません。

3つ目の理由はなんとなく、もしくは親に言われたからです。あまり自分から勉強しようとも思っていないなら、興味ない資格に時間をかけて勉強してもうまく行かないことが多いです。これなら、資格勉強よりもっと自分のやりたいことに時間を使ってもらいたいものです。

資格を取るコストと価値を知る

資格を取るには、時間や労力がかかります。特にIT関係、プログラミング関係の資格。暗記で覚える一般知識だけではなく、手を動かしてプログラミングの実技も身に付けないといけません。IT資格を取るにはやはり1〜2年ぐらいかかると最初から見込むべきです。

学生の場合、学校の勉強やテストがあります。また中3の場合は高校受験、高3の場合は大学受験があります。それらの勉強もかなり時間が必要です。それと同時にIT資格をとろうとすると、なかなか難しいものです。だから、取るとするならば、中1と中2、高1と高2がベストタイミングと考えています。1年間頑張れば基礎レベルのIT資格は取れます。プログラミング教室に通っても自宅での勉強は不可欠です。時間をちゃんと確保して計画して勉強すれば、合格はできます。

もし時間や余裕があまりないなら、今はIT系の資格取得はやめたほうがいいと思います。例えば大学に入って余裕ができましたら、その時に取ってもいいと思います。まずはいまの学校の勉強をしっかりできるようにしてください。

しかし、コストばかりを考えたら何もできません。資格取得のメリットもたくさんあります。私が最も価値を感じるのが、その資格取得に向けての勉強の過程で、実技以外の知識を得られることです。資格のテスト勉強は実践で出会わない内容も出題されます。実践で出会わないからどうでもいいと考えてはいけません。プログラミング学習は体系的、科目横断的な内容が多く含まれています。実践だけでは学べない知識があります。そのとき、資格の勉強を通じてその基礎の内容をしっかり学ぶことができます。そういう意味で、資格を取ることにはすごく価値があります。

その資格を持っている人は、どれぐらいいますか?

みんなが持っているから、私も持たないといけないことはありません。自分に必要な資格を見つけてください。みんなが持っている資格なら、持たなくてもいいと思います。なぜなら、みんな持っているので、アピールしても特にプラスにはなりません。

ここで重要なのが、資格を取るなら自分に必要な資格とプラスになる資格を取ることです。

自分に必要な資格は次の項目で詳しく説明しますが、要は自分のやりたいことをきめて、それに関係する資格を厳選してみてください。簡単な資格から始めてもいいと思います。徐々に高度な資格の取得を目指してください。

プラスになる資格は、みんなが持っている資格より少しレベルが高いものと思ってください。例えばWordの資格があります。Wordは資料を作るためのソフトです。使いこなせばきれいな資料を作れます。しかし、実際の仕事ではきれいな資料作りよりわかりやすい内容を書けることが求められます。Wordの基本の操作さえできれば十分です。別にWordの資格を持っているので特別扱いされることはほとんどないと思います。つまり、Wordの資格は普通の資格です。

同じOfficeのソフトの中に、Excelの資格もあります。Excelは表を作るソフトです。学校では普段あまり使われないので、できない人が多いです。簡単な表を作れるとしても、ちょっとしたマグロや関数が使えない人がものすごく多いですね。もしWordとExcelの資格から選ぶなら、間違いなくExcelを選ぶべきです。なぜならExcelの資格はプラスになる資格だからです。

プラスになる資格は難しい資格、レベル高い等級の資格を選ぶという意味ではなく、本当に将来仕事に役に立つ資格を選んでほしいものです。
例えば、最近人工知能の活用が多くの企業で行われているようになりました。企業も人工知能の基礎知識を持つ人を求めています。そんなとき、人工知能に使われているプログラミングであるPythonの、仮に最もレベルが低い資格でも、他の人よりその資格を持っていることが採用の決め手となる可能性が高いと言えます。

自分のやりたいことは何でしょうか?それが一番大事です

これは、私が塾生によく聞く質問です。やはり、ここが一番重要です。すべての原点です。資格を取るまえに、まず考えないといけないことだと思います。資格を選ぶときも、自分のやりたいことから考えないといけません。

何の資格を取ったらいいか、まだわからないなら、まずやりたいことを見つけるようにしてもらいます。そこから、生徒が今何をしないといけないかが見えてきます。特に中学生の場合、まだはっきりした目標がない方も多いものです。その場合は、資格のことを考えずに、たくさんプログラムを書いて学んでください。

もし生徒が資格より実力を考えているなら、はっきりした目標を設定し、時間を確保し、その目標を実現するのに必要な学びを見つけてもらいます。そして学んで実践してもらいます。これが生徒の実力を示すための第一歩です。

今回、具体的な資格の名前を提示していません。資格の提案もやはり生徒一人ひとりの状況に合わせて生徒と一緒に考える必要があります。

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中山 涼一

こどもICT教育支援センター センター長

2014年に関西初のこども向けプログラミング教室「未来学校プログラミング教室」を創設。
800名以上の指導実績を誇るプログラミング教育のスペシャリスト。

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