経営

人気教室から学ぶべきこと

人気教室から学ぶべきこと

久しぶりの投稿となってしまいました。

長い夏休みを終え、先週からは各教室様とも「平常営業」に戻られていることでしょう。
地に足をつけて授業運営に取り組める秋だからこそ、教室の経営課題の解決にも目を向けてみたいものです。

当センターには、プログラミング教室のみならず、全国各地の習いごと教室様からのご相談が日々寄せられています。
数多くのお声掛けをいただく中で、やはり最も件数が多いのは教室の経営維持に関すること=すなわち売上増・集客増についてのお悩み相談となります。

いくら崇高な教育理念を持っていても、理想的なカリキュラムを構築していても、生徒募集が順調に進まなければ教室経営は成り立ちませんよね。
特にプログラミング教育という業界は、新規参入の急増により各地で教室間の競争激化が進んでおり、「生徒の奪い合い」が激化している地域が増えてきています。

しかし集客のお悩みを抱える教室が多くある現実とは対照的に、「集客!」「営業!」と目の色を変えて焦らずとも、驚くほど生徒募集が順調に進んでいるお教室様も見受けられます。

こういった人気教室では、なぜ集客が順調に進むのか。
詳しく解析できないことも多々あるのですが、人気教室に通ずる一定の法則はあるような気はしています。

本日のコラムでは、そういったお教室における実践例を、いくつか紹介していきたいと思います。

「教室の存在を知ってもらう」ための行動

集客施策の一丁目一番地は「教室の存在を知ってもらう」ということです。
当たり前なのですが、「ここに教室がある」という存在を知ってもらわなければ、顧客は入学を検討する機会すら持つことができません。

集客力のある教室のオーナーは、まず自らの教育サービスの存在を知ってもらうための行動に、漏れなく取り組んでいらっしゃると感じます。
当センターが「最低限やるべきこと」と考えている広報施策について、開業時から漏れなく取り組まれてケースが非常に多いように思えます。

行動例①:SEO施策の充実

SEOとは、Googleなどの検索エンジンにおいて上位に掲載されるための施策です。
順調にSEO対策が進まない場合は、リスティング広告などを使い有料でページ上部に教室情報を掲載してもらうという手法も併用しています。

行動例②:SNS施策の充実

以前のコラムにも書きましたが、フォロワー集めのために必死に時間を割く必要はありません。
教室での日々の活動をアルバムとして開示しておくだけで十分です。
保護者が教室を探し始めたときに目にしていただけるように準備しておきましょう。

行動例③:ポータルサイトの活用

SEO施策を補うための施策です。
「●●市+プログラミング教室」などと検索した際に、上位にヒットするポータルサイトには必ず掲載をしておきましょう。
コエテコ様などへの掲載は必須です。

行動例④:MEO施策の充実

GoogleマップやYahoo!地図に教室情報はきちんと掲載されているでしょうか。掲載されていない場合は掲載に必要な申請を行いましょう。
教室情報を掲載することは、広報対策だけでなく、教室訪問者への経路案内にも活用をしていただけます。

行動例⑤:看板やのぼりの掲出

あえて解説はいたしませんが、教室の存在が知られなければ、検討客の訪問も発生しません。
すぐに効果は出なくても、「ここに教室がある」ということを、周辺に住む方の脳裏に焼き付けておくことが大事です。

行動例⑥:ポスティングや手配り

こちらもすぐに効果が出る施策ではありません。
しかし教室の存在をジワジワと、そして確実に知らしめるためには非常に有用な伝統的手法です。

行動例⑦:お問い合わせ情報の整理

お問い合わせをいただいたお客さまについて、会話の内容や個人情報をしっかりと記録・保管していくことが大事です。
そして定期的にコンタクトを取ることを心がけたいものです。

ここまでで書かせていただいた事項は、すべて「努力なくすぐに取り組める」ことです。
しかしどのように取り組んでいいのかが分からない場合もあると思います。
その場合には、どうぞ遠慮なく当センターにお問い合わせください。施策導入のお手伝いをさせていただきます。

「教室の特徴を知ってもらう」ための行動

「教室の存在を知ってもらう」ための施策は、最低限行うべきことです。
しかしそれらの施策だけではまだまだ不十分でもあります。

いくら教室の存在を知らしめることができたとしても、実施されている教育サービスを利用する価値を保護者が感じられない場合には、入会をしていただいたり、その後に教室に通い続けていただくことはできません。

人気教室のオーナーは、そういった顧客心理を正確に理解し、「教室の特徴を知ってもらう」ための行動にも積極的に取り組んでいます。

行動①:SNS施策の充実

上述の内容と重複していますが、SNSメディアの運営は重要です。
webサイトで教室の運営体制(カリキュラムや月謝などの制度)を淡々と伝えているだけでは不十分です。
SNSでは、教室やイベントにて先生が熱心に指導している様子、そして子どもたちが楽しく学んでいる様子など、教室サイトで伝えきれない情報を開示していきたいものです。

行動②:ブログやコラムの運用

先生が教育に対していくら素晴らしいお考えを持たれていたとしても、教室の中でひたすらその理念を唱えているだけでは、新規顧客に伝えることができません。
先生のお考えを広めていくためには、お考えを発信するための意識的な仕組みづくりが必要になります。
伝えるツールとしては、アメブロ様など旧来のブログ型ツールも活用できますし、近年ではnoteというツールもメジャーになりつつあります。
また伝統的な手法として、「教室だより」などを定期的に発行し、開示するという方法もあります。

行動③:社会活動への取り組み

地域での子育て支援活動などに、積極的に取り組んでいる先生も多く見受けられます。
無料体験教室の開催や子育て支援イベントへの参画を通じて、先生のお人柄を地域の人に知っていただく努力も必要です。
そしてその努力が、将来的に何らかの商機に結びつくことも多々あります。

行動④:保護者とのコミュニケーション

保護者との定期的なコミュニケーションを大事にしたいものです。
最低限子どもが教室で学んでいる内容の共有や、その活動に対する先生の評価や感想を伝え続けていく必要があります。

コツコツ継続することの大切さ

ここまでは、人気教室に共通している取り組みの事例をいくつか挙げてきました。
こういった事例を学び、自らの教室に導入していくことももちろん大事なのですが、一番大切なのは「やり続けていく」という姿勢です。

先日「ポスティングの効果が上がらない」というご相談をあるオーナー様からいただきました。
お聞きをしてみると、試行した回数が1回だけだということで、もう少し継続することをおススメいたしました。
同時に配布先の選定方法についてもアドバイスをさせていただきました。

ブログやSNSなどのライティングも、すぐに成果に直結することはありません。
特定の記事が偶然にバズることはありますが、通常は開始当初だと日に一桁台のページビューがある程度です。
積み重ねることによって、数か月後から徐々に効果が現れ始めます。

SEOなどのWEB施策も同じです。地域にもよりますが、当初はサイトからのお問い合わせが月に1件入ればそれで上出来です。

人気教室のオーナー様とお話をしていて感じるのは、一見効果が薄いと判断されがちな施策でも、我慢しながらコツコツと運用を続けているという粘り強さです。
効果が出ないからといってすぐに諦められるのではなく、微小な改善を加えながら継続し続ける。そういった覚悟が備わっていらっしゃるように見受けられます。

元気な先生/誠実な先生

人気教室のオーナー様に間違いなく共通しているのは、元気なお人柄/誠実なお人柄でいらっしゃるということです。

元気さ、誠実さというのは、意識的に演出して作り出せるものではありませんよね。
日々何事においてもコツコツと学ばれ、学ばれることで更なる自信を身に付けられ。その繰り返しにより素敵な人格がさらに磨かれていらっしゃるように感じます。

最後に

マーケティングに長けているオーナー様から学びとれることは多々あります。
皆さまのご近隣でも、繁盛しているお教室や店舗がありましたら、ぜひその経営手法をゆっくりと観察し、成功の理由を考察してみて下さいね。

img_avater_shindo

進藤 整是

こどもICT教育支援センター 開業・運営コーディネーター

国内最大級の福祉系資格スクール経営経験20年。講座企画・募集営業・広報・IT化推進・総務などスクール経営の中核業務に精通したスペシャリスト。

プロフィール