「なぜ習う?」プログラミング – 保護者の意識を理解しましょう –
「なぜ習う?」プログラミング – 保護者の意識を理解しましょう –
なぜテレビを買うのですか?
「あなた家のリビングには、なぜテレビがあるのですか?」
いきなりの質問でごめんなさい。
皆さまの中で、テレビという機械の魅力に取りつかれて、テレビを買ったという方はいますか?
「液晶があって、コンセントを挿して、電気を通して、そうするとそこに映像が写って」
この機械の動作を見るのが楽しくて楽しくて仕方ない、感動するのよね。
そんな理由で、テレビがほしい!と思った方は、実のところほとんどいらっしゃらないと思います。
(家電マニアと呼ばれる方は例外として)
テレビをお買いになられた理由は、テレビという機械への魅力からではないですよね。
テレビを介して実現できる心の満足のために、テレビを買うという方が多いのではないでしょうか?
・大谷くんのホームランが見られるから
・キムタクさんのドラマが楽しめるから
・日曜日に笑点が見たいから
・NHKの朝ドラで一日をスタートしたいよね
・韓流ドラマは私の生き甲斐だから
例を挙げるときりがありません。
でも、そんな楽しいコンテンツが見られるのなら、別にそれはテレビという機械以外でもいいのですよね。
実際に、プロジェクターを壁に写して楽しむ方もいますし、VRゴーグルや空間に映像を映すバーチャルディスプレイなんていうものも、これから一気に普及してくると思います。
世界で起こっている様々な出来事や、楽しいコンテンツを見るためには、今のところはテレビという機械が一番お手軽で、扱いにも慣れています。
だからこそ、テレビという機械はどの家でも買われていて、リビングの一番いい位置に置かれているだけなのです。
なぜプログラミングを学ばせたいのですか?
思考のレッスンができたところで、次の質問をします。
「保護者の皆さまは、なぜ子どもにプログラミング教育を受けてもらいたいのでしょうか?」
・Scratchというソフトウェアは楽しいよね
・HTMLやCSSという言語がとても魅力的に感じるよね
・JavaScriptできるようになるとかっこいいサイトが作れるよね?
そういうIT的な(?)理由でプログラミング教育を子どもに勧める保護者さまはすごく少数派です。
保護者さまの多くは、ずばり言うとプログラミング技術の習得そのものに魅力を感じている訳ではありません。
そこから得られる間接的な効果に期待している方が大半です。
これからはIT社会、
「プログラミングという技術を身に付けておけば、少なくとも 子どもが将来仕事に困らない よね」
そんな思いを抱いています。
さらに、
「プログラミングは思考力や創造力を養うのに役立つようなので、きっと子どもの 数学や英語の力も伸ばしてくれる はず」
そうなると、
「子どもは(いわゆる)かしこい大学にも行けるかも」
「子どもは(いわゆる)いい会社に就職できるかも」
そんなことをも、思い描いていらっしゃいます。
子どもの「いま」ではなく「将来」のために、プログラミング教育を選択している訳なのです。
そういった心理を理解しておけば、スレ違いは少なくなると思います。
保護者の皆さまの気持ちを汲んで、コミュニケーションは行ってほしいものです。
Scratchのすごさ、HTMLのすごさ、JavaScriptのすごさ、
そういったことだけを保護者さまに単調に伝えても、心に響くことは少ないはずです。
カリキュラムがどう、指導者がどう、お月謝がどう、
それらも大事なことですが、実は一番保護者さまが知りたいのは、そこでもありません。
実際にプログラミングを学ぶことは、子どもたちの将来のキャリア形成に大きく寄与します。
そこから広がる将来性についてこそ、実は保護者さまが一番知りたいことなのです。
その点を、分かりやすいよう、より具体的な例を示して伝えていただきたいと思っています。
まとめ
テレビという機械が欲しいからテレビを買うのではありません。
プログラミング知識を身に付けさせたいからプログラミング教室に通わせるのでもありません。
商品やサービスを購買する方が本当に求めていることを、より深く考えていきたいですよね。