意外と知らないICTとは?(ITとは何が違う?)
意外と知らないICTとは?(ITとは何が違う?)
知っておきたい教育用語
「ICT教育」とか「ICT活用」といった言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。
当センターの名称「こどもICT教育支援センター」にも入っている「ICT」について皆さんはどれだけの情報をご存じでしょう?
IT は「Information Technology」の略称で、ICT は「Information and Communication Technology」の略称です。
ITは『情報技術、コンピュータとネットワークを利用した技術の総称』を指し、ICTは『情報技術を使ったコミュニケーション』という意味で使われることが多いようです。
文部科学省の資料にも「学校のICT環境整備」等の表現が使われており、学校教育分野・社会教育分野における情報化の推進のため、様々な取組を実施していく旨が記載されています。
同様に、全国各地の教育委員会ホームページ内にも「ICT教育」関連の情報掲示が進んでいるようです。
Society 5.0
Society 5.0 という、耳慣れない言葉をご存じでしょうか?
サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会(Society)
狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指すもので、第5期科学技術基本計画において我が国が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱されました。
Society 5.0で目指すべき人間中心の社会では、利便性や効率性の実現を主目的とするのではなく、デジタル技術・データを使いながら、人間が人ならではの多様な想像力や創造力を発揮して、社会を共に創造していくことが重要
Society 5.0 -ともに創造する未来- | Policy(提言・報告書) |
一般社団法人 日本経済団体連合会 / Keidanren
学習指導要領
学習指導要領の改訂で、『情報科』の内容が大きく変化している背景には、政府が2016年~2020年の間に発表した科学技術基本計画第5期(5年毎に改定)の内容に記載されている『Society 5.0』もおおいに関係していると言われています。
(参考)プログラミング教育必修化 スケジュール
小学校 2020年~
文字入力など基本的な操作を習得、プログラミング教育を必修化
各教科等の特質に応じて、児童がコンピュータで文字を入力するなどの学習の基盤として必要となる情報手段の基本的な操作を習得するための学習活動や、プログラミングを体験しながらコンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力を身に付けるための学習活動を計画的に実施することを明記。【総則】
中学校 2021年~
技術・家庭科(技術分野)においてプログラミング、情報セキュリティに関する内容を充実
「計測・制御のプログラミング」に加えて、「ネットワークを利用した双方向性のあるコンテンツのプログラミング」等について学ぶ。【技術・家庭科(技術分野)】。
高等学校 2022年~
情報科において共通必履修科目「情報Ⅰ」を新設し、全ての生徒がプログラミングのほか、ネットワーク(情報セキュリティを含む)やデータベースの基礎等について学習
「情報Ⅰ」に加え、選択科目「情報Ⅱ」を開設。「情報Ⅰ」において培った基礎の上に、情報システムや多様なデータを適切かつ効果的に活用し、あるいはコンテンツを創造する力を育成。【情報科】
関連資料ページ
- 文部科学省・総務省・経済産業省が立ち上げた『未来の学びコンソーシアム』プログラミング教育ポータル
(令和2年12月25日をもって未来の学びコンソーシアムが運用終了)
https://miraino-manabi.mext.go.jp/ - 中学校技術・家庭科(技術分野)内容『D 情報の技術』におけるプログラミング教育実践事例集
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/mext_00617.html - 高等学校情報科「情報Ⅰ」教員研修用教材(本編)
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/zyouhou/detail/1416756.htm
政府が押し進めるICT
ICTはITに代わる言葉として、行政機関などで用いられるようになってきています。
国際的にはITよりもICTが普及していることから、日本でも世界基準に合わせるため、ICTへの移行が行われています。
総務省で発行している「IT政策大綱」も、2004年から名称を「ICT政策大綱」に変更しています。
教育現場では、PCやタブレットなどでの教材活用が期待されています。
先生がPCやタブレットを操作して授業をより楽しく、わかりやすくするだけでなく、生徒の情報管理にもICT技術が使われるようになります。
授業で使う資料作成の省力化、採点・集計(統計)などの省力化も可能になるものと思われます。
現在のコロナ禍では、家庭でのインターネット通信利用を前提に、学校に来られない生徒の在宅学習(遠隔授業)としてもICT活用が進んでいます。
まだまだ最終形ではないICT
PCやタブレットなどの情報端末を設置し、無線LANのような接続環境を整備しただけでは、ICT教育を実現したとは言えません。
導入するだけでなく、情報や技術をどのように活用するかが重要です。
公教育では補いきれない「ICT教育」を、私教育が如何に補っていくかが重要化されていくのではないでしょうか。