SNS集客について考えてみる

SNS集客について考えてみる

SNS集客についてのお問い合わせをよくいただきます。
これだけSNSが普及してくると、オーナーの皆さまが関心を持たれるのは当然ですよね。

SNSは、一般的に使う分には無料でもありますので、「お金をかけずに集客ができる」というイメージも強いのかもしれません。

そしてあらゆるSNSのフィード上には、「これだけ集客できた」「これだけ儲かった」という広告が絶妙なタイミングで挿し込まれていますので、何だか魔法のようなツールかも?と思ってしまうのも仕方ありません。

私もFacebookやInstagram、そしてX(まだtwitterと言いそうになる)をそこそこ使っています。
それなりに各ツールにフォロワーさんが付いてくれていますが、集客に活用するにはどうも方法が分からないというのが正直なところです。

フォロワーが増えるとお客様も増える?

SNS集客を進めていくうちに、本来の目的からどんどんと逸れていってしまう方がいらっしゃいます。

「お客様を集める」という目的で利用を始めたつもりが、いつの間にやら「フォロワーを集める」というゲームに変わってしまう場合があります。

Xの企業アカウントを見ていても、「1,000フォロワーまであと少しです」「10,000フォロワーを達成しました」そんな投稿をよく目にいたします。

そこまでフォロワーさんを集められるというのは凄いとは思います。ただそれが集客に直結しているかは冷静に見ておいた方がいいと思います。

フォロワーさんを増やすこと=お客様を増やすことは、完全なイコールではありません。
フォロワーさんの「数」よりも「質」を見ておく必要があります。

フォロワーさんが100人になり、1000人になったとしても、その中に先生方が提供するサービスを「利用したい!」という目的で集まっている方がどの程度の割合で存在するのか。そこを注視しておく必要があります。

先生方の事業に興味を持ち、関心を持ち、そういった方がフォロワーの大半なら嬉しいことです。
ただそうでない方が多数集っていたとすると・・・それは事業の成長には結びつかないと思います。

特に、プログラミング教室経営は、商圏の狭いビジネスです。
とても通学できないような遠隔地を生活拠点とするフォロワーさんは、いくら増えても集客に直結しないということを考えておきましょう。

投稿した記事は読まれているのか?

フォロワーが増える=自分の投稿記事を見る人が増える。それも勘違いしがちなことです。

SNSのヘビーユーザーのフィードには、その方がフォローしているアカウント数に相応した、たくさんの投稿が表示されているということを理解しなくてはいけません。

他のユーザーの投稿が多ければ多いほど、先生方の投稿がフォロワーさんの目に入る確率も下がるということなのです。

そして最近のSNSのアルゴリズムでは、均等に記事が表示されるということもなくなってきています。
特定の仲のいいフォロワー同士、コンタクトの多いフォロワー同士の投稿が優先的に表示され、それ以外の投稿が後ろに隠されてしまうという傾向があります。

フォロワーさんによる記事の視認率は、20%だとも30%だという説もあります。
肌感覚では私もそういった確率だと思います。

投稿へのリアクションがあまり感じられない場合、逆に躍起になって根性論で投稿数を増やす方もいらっしゃいます。
でもその努力は「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」という勘違いに終わってしまう場合が多いものです。

中には特定の投稿が大ヒットして、奇跡的に反響を呼ぶ場合もあります。
私の知っている先生でも、一本のFacebook投稿で、体験会に数十名の集客をしたという猛者もいらっしゃいます。

ただそういう奇跡ばかりを追い求めていても、非効率であることも事実です。

ではSNS集客をやめてしまってもいいのでしょうか?

SNS集客のデメリットを説明してきましたが。完全に諦められることはないと考えています。
ここまででお伝えしたかったのは、あくまでも無駄なフォロワーづくりや、投稿の乱発には気を付けられた方がいいという注意の喚起にすぎません。

無理やりに内容の薄い投稿を繰り返すのではなく、教室の活動内容は地道に投稿しておきましょう。

スモールビジネスにおける広報は「先回り」という意識が大切です。
地域でプログラミング教室探しを始められた新規顧客(保護者)が、教室のアカウントを見つけられるような工夫は大切なことです。

そして、保護者様がアカウントたどり着かれた時に、教室の雰囲気がよくわかり、好感を持っていただけるようなフィードづくりは、日々心掛けておきましょう。

プログラミング教室は、ここ10年で急拡大した「新しい業界」です。
保護者の方にとっては、教室で何が行われ、そして子どもの成長にどう役立っていてということが、特に分かりにくい業種でもあります。

「教室の中で行われていること」を画像や映像で配信することは、保護者の安心に寄与するのではないでしょうか。
授業風景や、教室で作られた作品を発表する場として活用してみて下さい。

それでもSNS集客をやってみたい

SNSでの無料集客のデメリットを再び整理します。

①そもそもフォロワー集めに苦労します
②せっかくフォロワーを集めても投稿の閲覧率が低くなりがちです。

無料でのSNS集客が苦戦する要因は、この2点にあります。
でもそのようなデメリットを、一気に克服できる方法があれば嬉しいですよね。

私は、SNSでの集客を加速させるなら、無料でのフィード投稿よりも有料広告出稿が適していると考えています。

SNS広告には以下のようなメリットがあります。

・広告費の予算設定が行いやすい。(一日当たりの上限金額が決められます)
・プログラミング教育に関心を持っていそうな層だけに、広告記事を表示できる。
・教室への通学が可能なエリアの居住者だけに、広告記事を表示できる。

これなら①②のデメリットの克服に繋がると思いませんか?

ここで少し視点を変えてみましょう。
みなさまは、個人的にSNSを本来どういった目的で使っていますか?

自分と身近な人の間で幸せを分かち合う、そのために利用している方が多いのではないでしょうか。

また興味がある情報(グルメや観光スポット、音楽や映画など)と触れ合う機会を増やすために利用している方も多いと思われます。

そんな場において、「教室が開業しました」「割引をはじめました」というPRバリバリの一方的な投稿は、あまり歓迎をされません。

ただ広告出稿という告知スタイルであれば、ユーザーも割り切って自然に受け入れてくれます。
テレビ番組の間にCMがあるように、SNS投稿の間にバナーがあるのは当たり前になってきておりますので。

集客以外でのSNS活用

SNS活用は、集客以外のシーンでも教室運営に活用ができます。

・ 保護者とのコミュニケーションの場にする。
・ 生徒たちとのコミュニケーションの場にする。
・ 他の教室様とのコミュニケーションの場にする。

教室との関係性が高い人たちが、コミュニケーションの場として活用するには非常に良いツールだと考えます。

集客だけに肩肘を張るのではなく、SNSが持つ本来の役割をうまく活用できればいいですよね。

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進藤 整是

こどもICT教育支援センター 運営会社代表

国内最大級の福祉系資格スクール経営経験20年。講座企画・募集営業・広報・IT化推進・総務などスクール経営の中核業務に精通したスペシャリスト。

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