見学来校者とのトーク内容について考える

見学来校者とのトーク内容について考える

今日は、生徒募集時のお客様とのトーク内容について考えていきたいと思います。

顧客のニードとは


いきなり本題から逸れてしまいますが、お許し下さい。

「もしあなたが今から車を購入するとすれば、どんなことを重視して車種を選ばれますか?」

様々な答えが想定できます。

・スポーツカータイプであることが絶対条件
・燃費をとにかく重視します
・何人乗れるかを最優先で考えます
・どれぐらい加速がすごいかに関心があります
・明るい色でないとだめです

書き出すときりがないのでこれぐらいにしておきます。

優秀な販売員というのは、あなたが何に関心を持っていて、車種を選ぶ基準がどこにあるのか。そのヒアリングをしっかりと行ったうえでセールス活動を行います。
それができない方は優秀な販売員にはなれません。

あなたが燃費性能を重視していた場合、販売員が加速の凄さをアピールされても大して関心を持ちませんよね。
あなたが家族全員が楽に乗車できるかということに関心を持っていた場合、クーペなどスポーツカータイプの車をおススメされても迷惑ですよね。

しかし、顧客の心理を理解できず、そのような的外れな提案をしてしまう販売員が多いのも、また事実です。
お客様が何に関心を持っているのか聞かずに、販売員自らが興味があることばかりを一方的に話してしまうような最悪なケースもよく見受けられます。

保護者が知りたいことを把握できていますか?

さて本題に入ります。

プログラミング教室の見学に来校された保護者様への説明トークについても、車のセールスの事例と同じことが言えます。

保護者様がプログラミング教室に何を期待されているのか、お問い合わせの段階や、フロントトーク(最初の挨拶から本題に入るまでの雑談タイム)でしっかりと把握をしておく必要があります。

・プログラミングスキルを身につけると将来役に立つのでは?
・パソコンいじりが好きな子どもに、専門家の指導を受けさせてあげたい
・子どもの集中力を高める訓練に、プログラミング学習は向いていそう
・保護者の留守中に子どもが楽しめる習い事だったらなんでもいいです
・よく分からないけど、仲良しのお友だちと一緒に通いたいと子どもが言っているから

保護者様がプログラミング教室を検討するきっかけは、それぞれ違います。

「保護者様が本当に知りたいこと」をうまく聞き出せず、的外れなトークばかりをしていても、保護者の関心を惹きつけることはできません。

「保護者様が本当に知りたいこと」を把握するための具体的な方法は二通りです。

・フロントトークでストレートに聞いてみる
・会話を始める前にアンケート用紙などに書いていただく

このいずれかの方法が有効です。これら二つを並行しても構いません。

保護者様の関心ごとをうまくヒアリングすることができれば、接客トークはその項目に沿って順番に行っていきましょう。
「先生が話したいこと」を話すのではなく、「保護者様が聞きたいこと」を話題の中心にしましょう。

もしご自身のトークに不安がある先生は、自分のトークを録音して検証してみるのもよいでしょう。

スクールの制度についての説明

時折、初めて教室を訪れた保護者と話すことが苦手で、「当たり障りのない説明」だけで終始しようとする先生もいらっしゃいます。

この「当たり障りのない説明」とは一体何でしょうか。

・時間割
・受講料
・先生のプロフィール
・先生のプログラミング教育観
・教室の実績

そういったスクールの制度や、学習内容についての説明のことです。

これらの説明は、入学後の契約トラブル等を回避するために、説明が必要な事項であることはたしかです。
ただ入学促進のためのトークと、これらの説明事項は切り離して考えておく必要があります。

では、スクールの制度については、いつ説明すればいいのでしょうか?
タイミングとしては、ご入学手続の直前の段階で構いません。
保護者様や子どもの関心が十分に高まり、「さあ入学しよう」という意志が固くなってからでも大丈夫です。

スクールの制度については、口頭での説明と同時に、案内資料等もご用意しておくといいでしょう。
資料の準備をしておくことで、万が一制度の詳細について伝え漏れが起こった時にも安心です。

クロージングも大切に

保護者様のお知りになりたいことをきちんとお話ができた後には、しっかりとクロージングを行ってください。

「一緒に楽しく勉強していきましょう!」
「プログラミングの勉強は私にお任せください!」

先生の入学してほしい、という気持ちをストレートに伝えることが大事です。
その上で「今日ご入学の手続きをしていただけますか?」と明確な意志の確認も行ってください。

確認に対し「しばらく検討させて下さい」とのお返事をいただいた場合は、検討期限を取り決めましょう。
「では、今週末までお待ちしております」など、早期の検討を促しましょう。

保護者様に断られることが怖くて、このクロージングが苦手な先生も多いようです。

「よかったらまた考えてお返事くださいね・・・」など、
自らこのように切り出して、保護者様のご決断を先延ばしにしてはいないでしょうか?
このようなボンヤリとした勧誘は、逆に保護者様に不審に思われる可能性もありますので要注意です。

最後に

募集トークに長けている先生は、授業スキルも高いというケースが多いものです。
相手の話をまずはよく聞き、そして相手が分かりやすいように説明する。その大切さは、営業でも授業でも同じですので。

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進藤 整是

こどもICT教育支援センター 運営会社代表

国内最大級の福祉系資格スクール経営経験20年。講座企画・募集営業・広報・IT化推進・総務などスクール経営の中核業務に精通したスペシャリスト。

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