HTMLを習わずJavaScriptに進んでもいいでしょうか?
HTMLを習わずJavaScriptに進んでもいいでしょうか?
現在、こどもICT教育支援センターが提供しているカリキュラムには4つの言語コースが含まれています。Scratch、HTML/CSS、JavaScript、Pythonを提供しています。説明会でも講習会でもよく聞かれる質問があります。Scratchの学びを終えた生徒が、直接JavaScriptまたはPythonに進んではいけないでしょうか?
結論からいうと、HTMLはウェブサイトを制作するための言語で、別にホームページを作らないからHTMLを学ばずJavaScriptの勉強に進んでも問題はありません。しかし、わざわざHTMLを取り入れていることには理由があります。
HTMLはプログラミング言語ではなく、ウェブデザインの言語です。
まず、HTMLはどのような言語かというと、ウェブページを制作するための言語です。職業からいうと、主にウェブデザイナーが使う言語です。プログラミング教室がまだ多くないとき、一般的なパソコン教室では、マイクロソフトのオフィスのソフトの操作や、写真の編集、ホームページの制作などがよく教えられています。そのホームページ制作のためにHTMLを学びます。HTMLの命令を使えば、文字や写真、リンクなどが表示されるウェブページを作れます。
しかし、HTMLはプログラミング言語ではありません。条件分岐や繰り返しなどのロジックはありません。そのため、プログラミングを学ぶには、HTMLの重要性があまり感じられないかもしれません。
では、なぜHTMLを学ぶ必要があるのでしょうか?
私は未来学校を開校する前に、10年間ネットショップの開発の仕事をしてきました。使ったプログラミング言語はPHPです。私は、サーバで動くプログラム、いわゆるバックエンドのプログラムを作るのがメインです。しかし、バックエンドの開発をするからフロントエンドのユーザインタフェース構築の知識がなくていいというわけではありません。きれいなサイトを作らなくても、最低限の画面表示を作るのは当然のことです。このユーザインタフェースの制作自体は、HTMLの知識が必要です。
インターネットはすでに生活のあらゆる面に浸透しています。私達は、毎日たくさんのウェブサイトを見ています。すでに簡単にウェブサイトを作れるウェブサービスもあります。そのようなサービスを使えば、わざわざHTMLを使わなくてもウェブページが作れます。しかし、今後、新しいサービスやゲームを開発する場合、多かれ少なかれネットに関係するでしょう。その時、ウェブサイト上で情報を表示することがよくあります。つまり、開発者はウェブサイトの表示の構築ができなければなりません。HTMLの知識は、今後の開発には必ず必要となります。いますぐ学ばなくてもいつかは学ばなければなりません。
こどもたちにHTMLを学ばせるメリットとは?
では、なぜこどもたちにScratchの後、HTMLを学んでもらうかというと、理由が3つあります。
1つ目はすでに説明したように、HTMLはいつか学ばなければならない言語です。今後の開発に必要な知識です。しかも高校の「情報」教科では、HTMLの文法説明もあり、一部の高校ではウェブサイトの制作も教えています。人に情報を伝えるツールの1つとして、学校でも学んでいます。プログラミング言語のロジックがないので、学びやすい言語です。
2つ目の理由は、タイピングの練習ができるからです。小学生の場合、タイピングができる子もいますが、ほとんどの方は正しいタイピングを学んでいません。ここで、HTMLを学ぶとき、同時にタイピングの方法も学んでもらいます。HTMLの命令はそんなに多くないので、HTMLの制作はタイピングの練習にもちょうどいいのです。私の塾では、タイピングができない生徒でも、2ヶ月でも頑張れば、みんな指を正しく使って、速くタイピングできるようになります。もし、Scratchが終わって、いきなりJavaScriptになると、JavaScriptの文法も考えないといけません。プログラムのロジックも考えないといけません。それに、タイピングする時の指の位置を加えると、こどもたちの頭がついていけなくなります。
3つ目の理由は、JavaScriptを学ぶとき、HTMLの知識が必要だからです。JavaScriptの命令は、HTMLの中に読み込まれ実行されますので、HTMLの知識がないと一部のプログラムの意味がわからなくなります。単純に学びの順番から言ってもHTMLが先になります。 以上の理由で、JavaScriptを学ぶ前に、HTMLの学びを通してできるだけ早くタイピングに慣れて、それから本格的なテキストプログラミングを学ぶことをおすすめします。