情報Ⅰ ポイント整理(3)
情報Ⅰ ポイント整理(3)
この連載は、現在高校で使われている情報Ⅰの教材をベースにし、重要なポイントを整理して5分で読める記事にします。
ITの基本知識として知る必要がある内容がたくさんあります。
また大学共通テストに出やすいポイントを説明いたしますので、テスト対策にもお役立ていただければ幸いです。
第3回目 情報とデータ

世の中には情報が溢れています。正しい情報もありますが、偽の情報もたくさんあります。私たちはそれらの情報に触れる手段が多くあります。以前はテレビのニュースや新聞記事から情報を得ることが多かったのですが、今は、ネットニュースやSNSの投稿などから得る機会が増えてきました。
そして、いろんなところから得た情報の形からみると、文字、音声、画像、動画などの様々な形があります。この文字、音声、画像、動画などで構成されている内容を「データ」と呼びます。情報Iでは、このデータについての基礎知識を学びます。
データの種類
データは大きく分けるとアナログデータとデジタルデータがあります。
例えば、時間を知るためには、時計を見ます。針の動きを使って時間を表現するのがアナログ時計です。数字を使って時間を表現するのがデジタル時計です。水銀の動きを使って温度を測る温度計はアナログです。電子温度計は数値で温度を表現しますので、デジタルになります。音波を記録する昔の音楽レコードはアナログで、音声を数値に変換して記録されているCDはデジタルです。
デジタルのメリット
- アナログのメリットは、直感的に情報を得ることができることです。ただし、情報が数値化されるデジタルと比べて、精度が低くなりがちです。
- 皆さんが普段使っているパソコンの中にも、文字ファイルや音声ファイル、動画ファイルがたくさん保存されています。デジタルであるからこそ、同じハードディスクの中に異なる種類のデータを記録できます。
- 数値化されているデータは加工しやすいというメリットもあります。特に情報Iで出題される可能性がある「圧縮」と「暗号化」がデジタルデータの特徴の一つです。
- デジタルデータは数値のデータなので、簡単にコピーできます。また環境による劣化もしにくいのが特徴です。長く保存したい情報なら、やはりデジタルで保存することが良いでしょう。
データの圧縮
先ほど、デジタルのメリットの中にも言及した「圧縮」について少し確認しましょう。
圧縮とは、データの意味を保ちつつデータの量を減らすことです。いまは、スマホのカメラの進化により、撮影した画像や動画のサイズはかなり大きくなります。しかし、撮影した動画をSNSで共有したいだけなら、4Kの解像度は不要です。そこで、4Kの動画を2Kに変換し、データのサイズを小さくすることで、容量を節約できます。1ギガの動画ファイルを圧縮すれば、200M程度の動画に変換できます。スマホで視聴するには十分な画質を保ちつつ動画ファイルのサイズを五分の一にします。この圧縮技術は、データ量が爆発的に増えている現代には不可欠な技術となります。
圧縮には、可逆圧縮と不可逆圧縮があります。
可逆圧縮とは、圧縮したファイルを圧縮前のファイルに戻すことができる圧縮手法です。例えば、文書の圧縮ですが、この場合は圧縮率が低くなります。
一方、非可逆圧縮とは、データの損失を認めながら圧縮率を高める圧縮手法です。非可逆なので、圧縮されたデータから元のデータに復元することができません。ただし、圧縮率が高いので、ネット世界ではよく使われています。画像や音声、動画などによく使われます。
ちなみに、圧縮されたデータを元のデータに戻す処理を「展開」といいます。「解凍」という言い方もあります。
データの情報量
データの情報量に関しては、よく出題されます。今回は計算に触れず、データの量の単位を一度整理しましょう。
情報量の最小単位はビットです。bitと書く場合もあります。
1ビットは2進数の1桁を表現できる情報量です。つまり、表現できる数値は、0または1の2通りです。
次に、バイトという単位が非常に重要です。出題されている計算問題には高い頻度で登場します。単位はBです。
1 B = 8 ビット
表現できる数値は、2の8乗の256通りです。
ここからの単位は、前の単位の1024倍の間隔で上がります。単位表記の中にあるBはバイトのことです。Kは千、Mは百万、Gは十億を表しています。ただしデータの世界では、千は1000倍ではなく、1024倍になります。この1024という数字を必ず覚えてください。
キロバイト、単位はKBです。
1 KB = 1024 B
メガバイト、単位はMBです。
1 MB = 1024 KB
ギガバイト、単位はGBです。
1 GB = 1024 MB
テラバイト、単位はTBです。
1 TB = 1024 GB
上記の各単位の間の換算は計算のときによく使います。例えば、ファイルの容量計算、転送時間の計算など頻繁にデータの単位換算が必要です。よく出る計算問題については、今後別の記事にて紹介します。まずは単位間の換算だけを覚えておいてください。
まとめ
今回の内容は共通テストでは、そのまま出題されるものではなく、計算する場合必要な知識が含まれています。そのため、しっかり覚える必要があります。