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プログラミング教室での「保護者とのコミュニケーション」を考える

プログラミング教室での「保護者とのコミュニケーション」を考える

子ども向けの教室を運営していく場合、あらゆるシーンにおいて保護者とコミュニケーションを取ることが、とても重要となってきます。

しかし教室運営に慣れ、生徒が増えてくると、保護者との連絡が、欠席や振替などの事務連絡だけになってくる先生も多いようです。

今回は、保護者とのコミュニケーションの目的を整理したうえで、入会時から日常の報告、面談まで、場面ごとに行っておきたい対応を紹介します。

改めて、保護者とのコミュニケーションの重要性を認識していただければ幸いです。

① 保護者とのコミュニケーションの目的

コミュニケーションの最大の目的

家庭と教室で子どもの成長を一緒に考え、支えていくということが、コミュニケーションの最大の目的となります。

例えば、ゲーム作品が完成しても、保護者が画面を見ただけでは、教材のとおりに作ったのか、自分で仕組みを考えたのかまでは分かりません。
完成までに苦労した部分や、自力で解決できたことを伝えることで、学習の過程にある成長を理解してもらえます。

保護者がその過程を知っていれば、家庭においても、結果だけでなく、本人の工夫や努力に目を向けた声かけがしやすくなります。

反対に、家庭での子どもの様子を聞くことも必要です。
教室では順調に見えていても、家庭では課題の難しさを訴えているかもしれません。その情報があれば、講師は子どもの言動への理解を深めることができます。

経営面からの重要性

コミュニケーションを充実させることは、教室経営を安定させていくためにも重要なこととなります。

保護者が学習内容や成長を把握できず、不安を相談する機会もなければ、教室側が事情を知らないまま退会の申し出を受けるということが頻発し始めます。

仮に、生徒30人、月謝1万円の教室で5人が退会すると、月謝売上は月30万円から25万円になります。毎月5万円の減収が利益を圧迫します。退会率の上昇が続けば、経営の継続にも関わってきます。

もちろん、進学や転居、本人の希望などによる、致し方ない退会もあります。
しかし、事前に相談できていれば対応できたことまで、接点不足によって退会につながってしまうのは避けたいところです。

成果の見える新規集客ばかりを重視する教室が多いようですが、在籍している生徒と保護者への対応に時間を確保することも、同じく重要なことであると認識しておきましょう。

② 入会時のコミュニケーション

入会時は、その後の指導や保護者との関係の土台を作る機会です。
教室の説明を進める前に、まずは保護者と本人の話を聞く時間を設けてみてください。

確認しておきたいのは、次の3点です。

  • 保護者が期待すること
  • 保護者が不安に感じていること
  • 生徒本人が取り組みたいこと

「パソコン操作の習得」「考える力の育成」「将来のキャリアのため」など、家庭が教室に期待する内容はそれぞれ異なります。入会のきっかけとともに、教室でどのような成長を望んでいるのかを確認します。

併せて、パソコンの操作経験や質問のしやすさなど、不安に感じている点も聞いておきましょう。
初回授業において、その生徒に合ったサポートを考えるための材料になります。

保護者だけでなく、生徒本人が興味を持っていることや、作ってみたいものも聞いておきましょう。
保護者の期待と本人の希望が同じであるとは限りません。両方を把握したうえで、教室の指導方針や最初の学習目標とすり合わせることが大切です。

それらをしっかりヒアリングしたうえで、保護者や子どもの希望を教室での指導にどのように反映し、どのような成果が期待できるのか、具体的に伝えておきたいものです。

③ 入会直後のコミュニケーション

初回授業後には、その日の様子を短く報告します。例えば、次のような伝え方があります。

  • 「授業の後半には、自分から質問できていました」
  • 「マウス操作にも慣れ、一人で動かせるようになりました」
  • 「初めは緊張していましたが、最後は笑顔で作品を見せてくれました」

お迎えに来られる保護者とは対面で会話することもできます。そうでない保護者には教室用のLINEやメール、教室管理システムなどを使って伝えましょう。

入会から約1か月間、子どももまだ教室に慣れていない間は、こういったコミュニケーションを継続しましょう。

④ 毎回の授業後のコミュニケーション

子どもが通学に慣れてきたら、学習の様子の報告だけに留まらず、具体的な学習内容を多く伝えることを意識してみてください。

  • 今回は、何に取り組んだのか
  • 取り組みの中で、どのような工夫や成長が見られたのか
  • 次回以降は、何に取り組むのか

「今日は、得点を数える仕組みに取り組みました。同じ場所で何度も得点が入る問題に気付き、条件を追加して修正できました。次回は、制限時間を設ける機能について考えてもらいます」
このような短文でも構いませんので、学習内容をよりしっかりと伝えるようにしましょう。

毎回の個別報告が理想ですが、難しい場合には隔週、ないし月に一度程度の連絡でも良いと思います。

作品が完成した際には、画像や短い動作動画などを共有する工夫も取り入れたいものです。
ただし、単純に共有するだけでは、本人の取り組みが保護者に伝わらない場合もあります。
自分で考えた部分や修正できるようになったことをコメントとして添えておきましょう。

⑤ 定期面談でのコミュニケーション

日々の報告は、どうしても同じ文言の繰り返しになりがちで、伝えきれないこともあります。
学期末や進級前には、これまでの成長と今後の学びを、落ち着いて話せる「定期面談」の機会も設けたいところです。

時間は15〜20分程度で十分ですが、先生と保護者が気兼ねなく話すためには、個別面談形式が最適です。
対面での面談に加え、来室が難しい家庭には、Zoomなどによるオンライン面談も選べるとよいでしょう。

面談では、以下のようなことを話し合いましょう。
また、先生から保護者への一方通行ではなく、保護者の声を聞けるような雰囲気作りが重要です。

  • これまでの成長について:
    以前と比べて、一人でできるようになったことや、取り組み方が変わったこと
  • 現在の課題について:
    理解に時間がかかっている部分や、講師のサポートが必要な事項
  • 家庭での様子について:
    授業について話していることや、家庭で自主的に取り組んでいること
  • 今後の目標について:
    次の学期に取り組む内容や、身に付けていきたいこと
  • 子どもの生活環境や学習環境の確認:
    部活動、学習塾との両立、進路の希望、家族との関係など

これまでの成長を伝える際には、言葉だけでなく過去と現在の作品や授業記録を用意できればよいでしょう。
今、何に取り組んでいるかが分かる資料などがあると、より伝わりやすくなります。

また、今後取り組むべき目標をお話しするときには、生徒への期待だけでなく、教室側の具体的な支援内容も併せて伝えておきましょう。
中学生以上の生徒の場合は、保護者と講師だけで方針を決めず、事前に本人の考えを確認したうえで、これからの目標を決めていくことも大切です。

⑥ 変化に気付いた時のコミュニケーション

欠席が続く、課題に取りかかるまで時間がかかる、以前より発言が少なくなる。
こうした変化に気付いた場合は、次の定期面談まで待たずに連絡を取りましょう。

気付いた変化を、できるだけ正確に伝えることが大切です。

  • 「最近、課題の途中で手が止まることが増えています。難しいと話していますか」
  • 「ここ2回ほど、元気がない様子です。ご家庭ではいかがですか」
  • 「欠席が続いていますが、通ううえでお困りのことはありませんか」

教室で確認した事実を共有するとともに、家庭での様子も併せて聞いておきたいものです。

保護者と今後の方針を話し合った後は、その後の本人の取り組み方の変化も、一定期間継続して共有しましょう。

なお、教室内でのけがや体調不良など、すぐに確認や対応が必要と判断した場合には、感情を交えず、今起こっていることをありのままに伝えることが重要です。
最優先で連絡を行うようにしましょう。

⑦ 教室への連絡方法の取り決め

保護者がいつでも教室に相談ができるよう、組織全体で、保護者対応に使う時間や連絡方法を整備しておきましょう。

整備をしておかなければ、個々の生徒が講師個人に連絡を取り始め、勝手な指導が横行したり、教室側に正確な情報が入ってこなくなるというリスクが生じます。

  • 連絡方法と対応時間を決めて案内しておく
  • 連絡先を個人アカウントにせず、教室アカウントを設けておく
  • 相談内容の記録を義務付け、教室として生徒対応の内容を共有しておく
  • スタッフ個人のデバイスに相談情報が残るBYOD運用は避ける

運営ルールを明確に決め、必要なことは保護者にも共有しておきましょう。

特に相談した内容と対応方針を記録しておくことは重要です。
担当講師が変更になった場合や欠勤した場合にも、それまでの経緯を引き継げるようにしておきましょう。

まとめ

保護者とのコミュニケーションの具体例をいくつか挙げましたが、すぐに体制が整えられない場合には、授業中の具体的な様子を一つ伝える。そこから始めることでもよいと思います。
家庭と教室が子どもの成長を共有できる関係を、日々の運営の中で作っていただきたいと思います。

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進藤 整是

こどもICT教育支援センター 開業・運営コーディネーター

国内最大級の福祉系資格スクール経営経験20年。講座企画・募集営業・広報・IT化推進・総務などスクール経営の中核業務に精通したスペシャリスト。

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